離婚を考え始めると、「離婚後の生活はどうなる?」「養育費はきちんと受け取れる?」「仕事と子育てを両立できる?」「共同親権になったら何が変わる?」など、様々な不安が出てくるものです。
こうしたひとり親家庭や離婚前後の人を支えるため、福井県では2026年度に「ひとり親家庭・離婚前後サポートセンター とりどり」が開設されました。
2026年4月には、離婚後の父母の双方を親権者とする「共同親権」を選べるようにする改正民法が施行されました。
親権だけでなく、養育費や親子交流など、離婚後の子供の養育に関するルールも見直されています。
制度が変わったことで、「自分の場合はどうなるのだろう」と戸惑っている人もいるでしょう。
当記事では、福井県の「サポートセンター とりどり」について、どのような相談ができるのか、離婚前でも利用できるのか、相談方法や支援内容などを紹介します。
福井県の「サポートセンター とりどり」とは?
「ひとり親家庭・離婚前後サポートセンター とりどり」は、ひとり親家庭や離婚前後の父母が、生活や子育て、仕事、養育費、親権などについて相談できる窓口です。
福井県からの委託を受け、一般社団法人「フルード」が運営しています。
福井市成和の木原ビル1階に相談窓口が設けられています。
ひとり親家庭では、1人で仕事や家事、子育てなどを担うことも多く、悩みを抱えていても「相談に行く時間がない」「どこに相談すればよいのかわからない」といった状況に陥りやすいという課題があります。
福井県もセンター設置にあたり、経済的不安や子供の進学、生活上の悩みを抱えながら公的支援につながっていないケースが少なくないことや、改正民法の施行に伴って親権や親子交流などについての相談増加が見込まれることを背景として挙げています。
「行政機関に直接相談するのは少しハードルが高い」という人にとっても、まず悩みを話せる身近な入口となることが期待されているのです。

「とりどり」では何を相談できる?
「とりどり」では、ひとり親家庭や離婚前後の生活に関する幅広い悩みを相談できます。
たとえば、次のような悩みです。
・離婚後の生活や子育てが不安
・養育費について相談したい
・養育費が支払われなくなった
・親権や共同親権について知りたい
・親子交流について悩んでいる
・仕事を探したい、働き方について相談したい
・利用できる公的支援制度を知りたい
・離婚に関する法律上の問題を相談したい
福井県では、とりどり以外にも就業相談や資格取得支援、養育費・親子交流、子育て、家事、経済的支援など、ひとり親家庭を対象とする様々な制度が用意されています。
そのため、「自分がどの制度を利用できるのかわからない」という段階で相談することにも意味があります。
特に養育費については、離婚後の子供の生活を支える重要なお金です。
福井県内では養育費の取り決めや支払いなどに関する相談支援が行われているほか、公正証書等の作成に必要な費用を支援する制度なども案内されています。

離婚を決める前でも相談していい?
「とりどり」の大きな特徴の1つは、すでに離婚したひとり親だけを対象とした窓口ではないことです。
まだ離婚を決めていない人や、離婚を検討している段階の人も相談できます。
福井県がセンターの設置を計画した段階から、支援対象として「ひとり親家庭」だけでなく「離婚前後の親」が想定されています。
改正民法によって親権や親子交流などの制度が変わったことから、離婚を検討している人からの相談増加も見込まれていました。
離婚は、夫婦関係だけの問題ではありません。子どもがいる場合には、親権、養育費、親子交流、住居、仕事、保育、学校、家計など、離婚後の暮らし全体を考える必要があります。
離婚届を提出してから「こんな制度があるとは知らなかった」「養育費についてもっと話し合っておけばよかった」と気付くより、検討段階から情報を集めておくほうが、その後の生活を具体的に考えやすくなります。
「離婚すると決めたわけではないから相談するのは早い」と考える必要はありません。
むしろ、判断するための情報を得る場所として相談窓口を利用するという考え方もできます。

悩みに応じて弁護士や行政機関などにつないでもらえる
離婚前後の悩みは、1つの窓口だけでは解決できない場合があります。
たとえば、養育費や親権について法的な判断が必要なら弁護士などの専門家、生活支援や福祉制度については自治体の担当部署など、相談内容によって適切な相談先は異なります。
「とりどり」では、相談者の悩みに応じて、弁護士、市町の担当部署、県の健康福祉センターなど、必要な専門機関・支援機関につなぐ役割も担います。
これは、相談者にとって大きなメリットです。
悩みを抱えているときに、自分で「この問題は弁護士」「これは市役所」「これは県の制度」と1つ1つ調べるのは簡単ではありません。
最初の相談先として「とりどり」を利用し、状況を整理したうえで必要な支援につないでもらえれば、「どこに相談すればいいかわからない」という負担を軽減できる可能性があります。
福井県のひとり親家庭向けサポートガイドでも、「とりどり」のほか、母子・父子自立支援員、市町の福祉担当課、県健康福祉センターなど、複数の相談・支援窓口が案内されています。
「とりどり」の相談方法・受付時間
・施設名:ひとり親家庭・離婚前後サポートセンター とりどり
・住所:福井県福井市成和1丁目1119番地 木原ビル1階
・電話:0776-60-0106
・メール:tori-dori@fruid.org
・公式サイトはこちら
・受付時間:月~金曜日と第2土曜日の午前8時30分~午後5時30分、木曜日は午後9時までとされています。
窓口だけでなく電話、メール、公式サイト、LINEなどでも相談を受け付けており、仕事や子育てで忙しい人でも相談しやすい仕組みが用意されています。
今後はセミナー・交流会・資格取得支援なども予定
「とりどり」は、個別相談だけを行う施設ではありません。
参考文献によると、今後はライフプランセミナー、交流会、資格取得支援なども予定されています。
また、相談会と一般社団法人フルードが取り組んできた食料支援を組み合わせたイベントを、福井県内17市町で実施する計画もあります。
ひとり親家庭が抱える問題は、法律や福祉制度だけで解決できるものではありません。
「これから家計をどう組み立てればいいのか」「安定した収入を得るために資格を取りたい」「同じような立場の人と話したい」といったニーズもあります。
福井県では従来から、ひとり親家庭を対象に就業相談、就労自立支援、就業支援講習会、資格取得に関係する給付金・助成金などの支援を実施しています。
相談だけで終わるのではなく、就労や生活設計、自立に向けた次の1歩につながる支援が広がれば、ひとり親家庭にとってより利用価値の高い場所になりそうです。

まとめ
福井県の「ひとり親家庭・離婚前後サポートセンター とりどり」は、ひとり親家庭だけでなく、離婚を考えている人や離婚前後の人も利用できる相談窓口です。
養育費や親権・共同親権、親子交流、仕事、子育て、生活上の不安など、離婚に伴って生じる幅広い悩みについて相談できます。
必要に応じて弁護士や行政の担当部署など、適切な専門機関につないでもらえることもポイントです。
2026年4月からは離婚後の共同親権を選択できる新しい制度が始まり、親権だけでなく養育費や親子交流などについてもルールが見直されました。
離婚について考えていると、「まだ何も決まっていないのに相談していいのだろうか」とためらう人もいるかもしれません。
しかし、決断する前だからこそ、正確な情報を集めて今後の暮らしを考えることが重要です。
養育費、親権、仕事、住まい、子育てなどについて1人で悩み続けるのではなく、「何から考えればいいかわからない」という段階から相談窓口を活用することも選択肢の1つです。
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