大雨や台風などの災害が発生した後は、住宅の浸水や雨漏り、屋根、水回りなどの修理が必要になるケースがあります。
被災した住宅を一刻も早く直したいところですが、注意したいのが、被災者の不安につけ込んだ住宅修理の悪徳商法です。
福井県では大雨被害を受け、住宅の水回りの修繕について、相場より高額な工事費用を請求されたとの相談が福井県警に寄せられたと報じられています。
こうした状況を受け、警察は被災地となった坂井市で大雨被害に便乗した悪徳商法への注意を呼びかけました。
災害後には、必要のない住宅修理を勧めて高額な料金を請求する手口だけでなく、義援金を装った詐欺や空き巣などにも注意が必要です。
当記事では、大雨や災害後に注意したい悪徳商法の手口や、悪徳な住宅修理業者を見抜くポイント、被害を防ぐための5つの対策を紹介します。
大雨被害に便乗した悪徳商法に注意
大雨によって住宅が浸水したり、屋根や外壁、水回りなどに被害が出たりすると、被災者は「早く修理しなければ」と焦ってしまいがちです。
悪質な業者は、こうした心理につけ込んでくる可能性があります。
報道によると、福井県警には住宅の水回りの修繕について、相場より高額な工事費用を請求されたとの相談が寄せられたということです。
大雨に便乗した悪徳商法の発生が懸念されることから、9月11日には坂井市丸岡町のショッピングセンターで、坂井警察署の署員や防犯隊のメンバーら13人が注意喚起のチラシを買い物客に配りました。
警察が注意を呼びかけているのは、主に次のような被害です。
・必要のない住宅修理を勧め、高額な工事費用を請求する
・義援金や寄付を装ってお金をだまし取る
・被災後に留守になった住宅などを狙った空き巣
福井県も、地震や水害などの災害発生後には、被災者の不安や混乱、被災者を支援したいという人々の気持ちにつけ込んだ詐欺や悪質商法が発生するとして注意を呼びかけています。
災害直後だからこそ、「今すぐ修理しなければならない」と焦らず、業者や契約内容を慎重に確認することが大切です。

大雨・災害後に注意したい3つの犯罪・悪徳商法
1.必要のない住宅修理を勧める悪徳商法
特に注意したいのが、住宅修理に関する悪徳商法です。
「屋根が壊れている」「このままでは雨漏りする」「今すぐ修理しないと被害が広がる」などと不安をあおり、必要のない工事を契約させたり、相場より高額な料金を請求したりするケースが考えられます。
福井県も、突然訪問してきた事業者から「屋根がずれているのが見えた」「点検しますよ」などと言われ、点検後に非常に高額な工事契約を勧められる事例を紹介しています。
大雨の後に突然業者が訪問してきても、その場ですぐに契約しないようにしましょう。
2.義援金や寄付を装った詐欺
被災者を支援したいという善意を悪用した「義援金詐欺」にも注意が必要です。
例えば、公的機関や有名な支援団体などを名乗り、電話や訪問、メールなどで義援金を求めてくるケースがあります。
福井県は、公的機関が電話などで義援金を求めることはないと注意を呼びかけています。
義援金を送る場合は、振込先や団体名を公式サイトなどで確認し、信頼できる団体かどうかを確かめることが重要です。
3.被災住宅を狙った空き巣
大雨などの災害後は、住宅の修復作業や避難によって自宅を留守にする機会が増える場合があります。
福井県警は大雨に便乗した悪徳商法だけでなく、空き巣についても注意を呼びかけています。
避難や片付けなどで自宅を離れる場合でも、玄関や窓を施錠するなど、可能な範囲で防犯対策を行いましょう。

悪徳な住宅修理業者を見抜くポイント
災害後に訪問してくる業者の全てが悪徳業者というわけではありません。
しかし、次のような言動があった場合は、すぐに契約せず慎重に判断した方がよいでしょう。
「今すぐ修理しないと危険」と不安をあおる
「今日中に修理しないと危険です」「次の雨で家が大変なことになります」など、消費者を不安にさせて契約を急がせる業者には注意しましょう。
本当に緊急性の高い修理なのか、別の業者にも確認することが大切です。
「無料で点検します」と突然訪問してくる
「無料で屋根を確認します」「大雨の被害がないか点検します」などと突然訪問してくるケースもあります。
福井県も「無料で点検する」と言われても安易に応じないよう呼びかけています。
会社名や連絡先がはっきりしない
訪問してきた業者については、会社名、所在地、電話番号などを確認しましょう。
坂井警察署も、業者が訪問してきた場合には安易に契約せず、まず社名を確認するよう呼びかけています。
名刺をもらうだけでなく、会社の所在地や実績などを自分でも確認することが重要です。
見積もりの内容が不明確
「工事一式○○万円」のように詳細が分かりにくい見積もりにも注意しましょう。
どこを修理するのか、どのような作業を行うのか、材料費や工事費はいくらなのかなどを確認します。
福井県では、被災住宅を修理する際には複数の業者から見積もりを取り、修理内容や金額を比較するよう案内しています。
「保険を使えば無料」と強調する
「火災保険を使えば自己負担なしで修理できます」などと勧誘されるケースにも注意が必要です。
保険金を利用した住宅修理を勧められた場合でも、その場で契約せず、まず加入している保険会社や保険代理店へ相談しましょう。
大雨後の住宅修理で被害を防ぐ5つの対策
対策1.訪問業者とはその場で契約しない
最も重要なのは、突然訪問してきた業者から住宅修理を勧められても、その場で契約しないことです。
「今だけ安くなる」「今日契約しないと間に合わない」と言われても、1度冷静になって考えましょう。
家族や知人など、第3者に相談する時間を作ることも大切です。
対策2.会社名・所在地・連絡先を確認する
訪問してきた業者には、会社名や所在地、電話番号などを確認しましょう。
名刺やパンフレットなどを受け取り、実在する会社なのか、どのような事業を行っているのか確認します。
知らない業者が突然訪問してきた場合は、玄関を開けず、まずインターホン越しに対応する方法もあります。
対策3.複数の修理業者から見積もりを取る
住宅修理の料金が適正かどうかを判断するには、相見積もりが有効です。
1社だけの見積もりでは、その料金が高いのか安いのか判断しにくいため、可能であれば複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
福井県も、大雨被害を受けた住宅の修理について複数業者から見積もりを取り、内容を比較するよう案内しています。
また、契約はできるだけ口約束ではなく、書面で行うことが重要です。
対策4.修理前の住宅被害を写真で記録する
大雨による住宅被害を受けた場合は、片付けや修理を始める前に被害状況を写真で残しておきましょう。
福井県も応急修理にあたり、施工前の被害状況が分かる写真を撮影するよう案内しています。
住宅全体だけでなく、浸水した場所、壊れた設備、屋根や外壁など、被害状況が分かるよう複数の写真を残しておくとよいでしょう。
対策5.不安を感じたら警察や消費生活センターへ相談する
「この業者は怪しいかもしれない」「工事費用が高すぎる気がする」と感じたら、1人で判断しないことが大切です。
悪質商法などの消費者トラブルについては、消費者ホットライン「188」に相談できます。
詐欺などの犯罪が疑われる場合には、警察相談専用電話「#9110」があります。
坂井警察署も、不安を感じた場合には警察へ相談するよう呼びかけています。

もし高額な住宅修理を契約してしまったら?
すでに高額な住宅修理を契約してしまった場合でも、「契約したから仕方がない」と諦めず、早めに相談しましょう。
まず、契約書、見積書、領収書、業者から渡された名刺やパンフレット、メールやSMSなどのやり取りを保存します。
訪問販売の場合には、クーリング・オフ制度を利用できる可能性があります。
福井県によると、訪問販売では契約書面などを受け取った日から8日以内であれば、原則として書面やメールなどの電磁的方法によってクーリング・オフできる場合があります。
ただし、契約方法や状況によって適用の可否は異なるため、分からない場合は消費者ホットライン「188」などに相談してください。
また、福井県では2026年8月29日からの大雨で被害を受けた住宅について、災害救助法に基づく応急修理制度も案内しています。
対象となる住宅や修理内容などには条件がありますので、高額な民間工事を急いで契約する前に、自治体の支援制度を利用できないか確認することも大切です。

よくある質問
Q1.大雨の後に「無料で住宅を点検します」と業者が来ました。お願いしても大丈夫ですか?
その場ですぐに依頼するのは避けた方がよいでしょう。
福井県も「無料で点検する」と言われても安易に応じないよう注意を呼びかけています。
必要な点検であれば、自分で信頼できる業者を探して依頼する方法があります。
Q2.「今すぐ修理しないと危険」と言われたらどうすればいいですか?
緊急性があるように言われても、すぐに高額な契約をするのは避けましょう。
会社名や工事内容、見積金額を確認し、可能であれば別の業者からも見積もりを取ります。
明らかに危険な状態であれば安全を最優先にし、自治体などにも相談してください。
Q3.住宅修理の見積もりが高いかどうか分かりません。
複数の業者から見積もりを取り、修理箇所、工事内容、材料、工事費などを比較しましょう。
単純な総額だけではなく、「何の工事にいくら必要なのか」を確認することがポイントです。
Q4.訪問販売で住宅修理を契約してしまいました。キャンセルできますか?
訪問販売であれば、クーリング・オフできる可能性があります。
福井県の案内では、原則として契約書面などを受け取った日から8日以内が1つの目安です。
契約内容によって異なるため、早めに消費者ホットライン「188」などへ相談しましょう。
Q5.災害後の悪徳商法はどこに相談すればいいですか?
悪質商法などの消費者トラブルは「消費者ホットライン188」、詐欺など犯罪の疑いがある場合は「警察相談専用電話 #9110」が相談先になります。
身の危険を感じるなど緊急の場合は110番通報を検討してください。

まとめ
大雨や台風などの災害後は、住宅修理を急ぐ必要がある場合があります。
しかし、被災者の「早く家を直したい」「これ以上被害を広げたくない」という不安につけ込み、必要のない工事を勧めたり、高額な工事費用を請求したりする悪徳商法には十分な注意が必要です。
住宅修理業者が突然訪問してきた場合は、すぐに契約せず、まず会社名や所在地、工事内容、見積金額などを確認しましょう。
そして、可能であれば複数の業者から見積もりを取り、家族など第3者にも相談してください。
大雨後の住宅修理で特に覚えておきたいのは、次の5つです。
- 訪問業者とはその場で契約しない
- 会社名・所在地・連絡先を確認する
- 複数の業者から見積もりを取る
- 修理前の被害状況を写真に残す
- 不安を感じたら警察や消費生活センターへ相談する
大雨による被害で不安な状況だからこそ、1人で判断せず、周囲や専門機関に相談することが被害防止につながります。
住宅修理を急かされたときほど、いったん立ち止まり、「本当に必要な工事なのか」「料金は適正なのか」「信頼できる業者なのか」を確認することが大切です。
※記事内の画像にはイメージが含まれています。




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